2015年9月19日土曜日

【例会連絡】10月度月例会

10月度例会のご案内です。

◆日時:10月4日(日)13:00〜15:30
◆場所:名細公民館
◆輪読:「現代語訳吾妻鏡」第7巻、129ページ 
     承元四年(1210)庚午 正月大より
◆当番:E・A
以上、よろしくお願い致します。

2015年9月15日火曜日

【山形通信6】2015年9月更新

会員の皆様、こんにちは。
落合先生より山形通信が届きました!
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こんにちは。当地はめっきり涼しくなってきました。

 95日の大澤伸啓先生のご講演如何だったでしょうか(写真1)
写真1)大澤先生講演会の様子
 大変興味深いお話でした。中世の武士も館での日常生活とともに、常にあの世のことまで考え、お寺や浄土庭園を築いていたこと、河越館を考えていくうえでもいろいろと考えさせられるお話だったと思います。
 他地域の様相を知ることで、改めて中世の河越について気づかされることがあると思いますので、今後もこうした講演会を開くことで、見聞を深めていただければと思います。改めまして、大澤先生はじめ、ご来場の方々に御礼申し上げます。
 
 さて、最近、山形の南陽市あたりを廻っていたところ、面白い神社を見つけましたので紹介しましょう。1つめが、南陽市にある熊野大社です(写真2)
写真2)南陽市にある熊野大社
 中世以来多くの武将の信仰を集めたようですが、何と言ってもここの神社で有名なのは、本殿裏にある、三羽の隠し彫りされたウサギのことです。
 三羽見つけた人が次々と大成功を収めたことや、恋や願い事が成就したことから、「願いが叶う」「しあわせになれる」と言い伝えられているそうです。残念ながら私は1羽見つけるのがやっとでした。
 なかなか難しいですよ。是非皆さんも見つけてみてください。


 2つめの神社が、高畠町の「犬の宮」と「猫の宮」です。両社は100mほど離れていますが、まさしく犬と猫を祀る珍しい神社なのです(写真3)
写真3)猫の宮近くの板碑
 特に「猫の宮」についての伝承は、延暦年間(782806)まで遡るとのこと。信心深い夫婦には子どもがいなかったため、猫を可愛がっていたのに病死してしまいました。そこで今度こそ丈夫な猫が授かるようにと祈願したところ、夢に観音菩薩が現れ「猫を授けるから大事に育てなさい」というお告げがあり、翌朝、本当に猫が現れたので、大事に猫を育てていたところ、誤って殺してしまいました。
 実は、その猫は、屋根裏に潜んでいた大蛇から夫婦の家を守っていた、ということを後で知り、夫婦は猫の遺骸を手厚く葬り、お堂を建て供養をしたそうです。後にはネズミを退治する養蚕の神として知られるようになったとか。この話が史実かどうかは確かめる術はありませんが、古くから猫は、経典を食うネズミを退治するため中国大陸からもたらされたという説があり、寺社との縁が深かったことは事実のようです。しかし鎌倉時代の猫は、いたずらものとか、殺生を好むものとして、寺院内で飼ってはならないという史料まで残っています。それが江戸時代後期になりますと、養蚕にネズミは大敵とされ、農民の間で、猫を蚕の神様と崇める信仰が生まれました。
 太田南畝の『一話一言』には、天明・寛政年間(17811801)頃、「出羽秋田に猫の宮」があって、そこには猫の絵を描く坊主がいたという話があります。
 秋田には、該当する「猫の宮」がありませんので、この話の「猫の宮」は高畠の「猫の宮」の可能性が高いのです。ここから恐らく、「猫の宮」は遅くとも18世紀後半に、地域の人たちによる猫への厚い信仰の中から創建されたのかもしれません。

 動物愛護週間(920日~26)が近い、というわけではないですが、今回は動物ネタになってしまいました。それでは、10月のFW、会員の皆様のおいでをお待ちしています。